2009年07月01日

ブルックナー 交響曲第7番

クラシック音楽の歴史に残る名曲・名演奏の中から、今回取り上げる1曲は…




ブルックナー:交響曲第7番
マタチッチ(ロヴロ・フォン)

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
作曲: ブルックナー

ブルックナーの第7番と言えばマタチッチ。
マタチッチは何度も来日しN響を振り、「N響 伝説のライヴ マタチッチの芸術」なるシリーズのCDがあります。
豪快でエモーショナルな演奏が、当時の音楽界に旋風を巻き起こしました。音楽評論家宇野功芳氏の歴史的な証言があります。
「1965年秋、スラヴ・オペラの指揮者として初来日したときのマタチッチの≪ボリス・ゴドゥノフ≫は、日本のクラシック音楽界を震撼させた。誰よりもおどろいたのは指揮されたN響であった。全楽員が心酔、翌年からの度重なる来日公演が始まったのである。当時マタチッチは60代の半ば、脂の乗り切った全盛期にあり、巨体からくり出される音楽の巨大さ、その凄まじい熱気は比較するものとてなかった。とくにワーグナー、ブルックナー、チャイコフスキー、そしてベートーヴェンの迫力は東京文化会館や東京厚生年金会館が吹っとぶのではないかと思われた。そのN響とのライヴ録音が初CD化される。まさにレコード界の一大快挙である。わけてもベートーヴェンの1番、7番、ワーグナー・アーベント、チャイコフスキーの≪悲愴≫などのものすごさは文章にするのもおろか、実際に自分の耳で確かめていただくしか方法がない。」(宇野功芳)

このブルックナーはマタチッチらしく豪快で、逞しく、気持ちよく盛り上がります。
それと共に、実に深い呼吸で演奏されていて、特に前半の2つの楽章は他の演奏に比べて桁外れにスケールが大きい。これを聴かずして第7番は語ることができません。
どこにも緩みがないのはもちろん、音楽の持つ巨大なエネルギーの放射がすばらしい。
レーヴェ&シャルクの改訂版を使っていて、至る所でオーケストレーションが変更されています。
すぐ聴き分けられるのはティンパニーで、ティンパニーの「どかどかどろろぉぉぉぉん」という響きが笑えてしまうほど沢山出てきます。
おそらく実演でこれを聴けば、その効果は言語を絶したに違いないでしょう。



posted by nai at 23:41 | Comment(2) | TrackBack(0) | 名演あれこれ

2009年06月12日

辻井伸行 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(DVD付) [CD+DVD]




ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(DVD付) [CD+DVD]

ASIN: B001E1TL9U

【CD】
ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
辻井伸行×佐渡 裕

【DVD】
ラフマニノフ レコーディング風景
辻井伸行×佐渡 裕

ショパン 幻想曲 ヘ短調
ショパン 舟歌 嬰ヘ長調
ショパン 前奏曲 第24番 ニ短調


すっかり時の人となった辻井伸行さん。何度も記事になっていますが、本当に親思いの人格が伝わってきます。
実はこの方のお父さん、「辻井産婦人科」の院長で、私の家から歩いて10分くらいのところに病院があります。
我が家の子は、この方に取り上げていただきました。子供が生れ落ちた時、予想外に体重があったので、「あれ、大きいな〜」とつぶやかれたのを憶えています。
飾らず実直な、いい方でした。

さて、辻井伸行さんご本人の音楽の方ですが、演奏を聴いたことのある方は分かると思いますが、細部まで解釈が行き届いた、緻密に感情を積み上げた演奏をなさる方です。
全曲暗譜していること、耳から聴こえる音を捉え、吸収し、解釈することに対する天性の才能の持ち主であることは一目瞭然(一聴瞭然?)です。

デビューCD以降、どのアルバムも、勢いに流されることなく何度も聴き返して楽しみ、発見することのできる演奏です。

音の飛躍が売りのラフマニノフの難曲を、楽譜も鍵盤も見ることなく、どういう演奏をするのか、聴いてみたくないですか?
 
posted by nai at 20:37 | Comment(0) | TrackBack(2) | 話題の曲

2009年06月08日

村上春樹「1Q84」の冒頭を飾るヤナーチェクの「シンフォニエッタ」

ヤナーチェク:シンフォニエッタ/タラス・ブーリバ





村上春樹の長編小説「1Q84」が出版されました。Amazonで予約枠が全て埋まったなど、様々な話題を提供してくれています。
この本のオープニングで、タクシーの車内で流れる曲が、ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」です。ヤナーチェクの作品の中でもおそらく最も有名な作品で、第1曲のファンファーレはトランペット12本を使用する壮大な作品です。
その他、バッハの「マタイ受難曲」「平均律クラヴィア曲集」、ダウランドの「ラクリメ」、ハイドンの「チェロ協奏曲」などが登場することもあり、クラシック・ファンには見逃せない一冊です。

作曲家の生地チェコの演奏家の演奏でお楽しみください。




posted by nai at 09:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 話題の曲

2008年02月04日

シューベルト 交響曲第8番「未完成」

クラシック音楽の歴史に残る名曲・名演奏の中から、今回取り上げる1曲は…








作曲: シューベルト
指揮: ヴァント(ギュンター)
演奏: ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

シューベルトの「未完成」は、なぜ未完成なのか。
第2楽章まで書き上げ、第3楽章の9小節で終わってしまう。

明確な答えがないだけに、色々な説があります。
第1楽章と第2楽章を両方とも3拍子で書いてしまったため、スケルツォつまり3拍子とするべき3楽章が書けなくなった、という説もありますが、果たしてそんなことがあり得るのでしょうか。交響曲とは、4楽章構成にする構想であったなら、まず各楽章の組み合わせ方を最初に考えてから書くもののようです。

いずれにせよ、完成した1〜2楽章が美しく、またそれだけで十分に演奏時間がかかるため、演奏会のプログラムに載せるに支障がないですし、皆に愛されて名曲になりました。

みずみずしくロマンティックな曲想でありながら、常に緊張感と厳しさが漂うのは、今日紹介するヴァント+ベルリンフィル管弦楽団の演奏。
凛として引き締まった演奏の中から、旋律がもつこの曲本来の叙情的な香りが漂ってくるよう。














posted by nai at 23:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名演あれこれ

2008年02月03日

ショスタコーヴィチの交響曲

クラシック音楽の歴史に残る名曲・名演奏の中から、今回取り上げる1曲は…

















「ベートーベンが本質的にフィジカルな作曲家だとすれば、ショスタコーヴィチはメンタル」。
指揮者セミョーン・ビシュコフはこう言いました。
彼に言わせると、ショスタコーヴィチは「ストリート・ミュージック」だそうです。
つまり、一般市民の日常生活、ヒューマニティを音楽で描いたと。
確かに、ショスタコーヴィチは前衛音楽家ではなく、また交響曲には何かしらの「物語」が込められている訳で、では何を語っているのか、ということに対するひとつの解釈ではあるでしょう。

ソヴィエト当局から厳しく批判された1934年以降の交響曲を見てみると…

交響曲 第4番
初演の予定を自らの判断でキャンセル。

第5番
絶賛され名誉回復。

第6番〜第8番
戦時中のシンフォニー。対話的書式で、聴衆(つまり政府当局?)に分かりやすい音楽。覚えやすいメロディーと規則正しい音符の連続。意図的な単純さ。
彼が凄いのは、こういった制約を自ら課しながら、深みのある音楽に仕上げてしまうこと。

第9番
戦勝を祝う勝利の第交響曲を期待されながら、みごとに肩透かししてみせる。
意図的な単純さの中に、ありとあらゆるパロディーや皮肉を次々と入れ込んでみせる。さすがに当局にもバレ、ジダーノフ批判で窮地に追い込まれる。

第10番
このブログでも書いたことがあるが、スターリン賛歌を装った標題もいれてみせるが、実は「DSCH」(D.Shostakovichのイニシャル。D=レ、S=ミ♭、C=ド、H=シ)の音形で謎めいたメッセージを含ませている。

第11番〜第14番
しばらく標題音楽の形式による表現。

第15番
再びクラシカルなスタイルに戻る。ロッシーニ、ワーグナー、自作などの引用。












posted by nai at 12:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名演あれこれ

2008年02月02日

モーツァルトの交響曲

クラシック音楽の歴史に残る名曲・名演奏の中から、今回取り上げる1曲は…






モーツァルトの交響曲は、作曲された場所によって二種類に分類することができます。
都市から都市へ、流浪の旅を続けながら作曲されたものと、ザルツブルクに定住し、有力者のために作曲されたものです。

旅先で書いた交響曲は、限られた滞在期間に、その場で遭遇する何かの目的のために書かれました。
ザルツブルク定住時代は、前もって分かりきっている、当地の有力者に売り込むために書かれました。

どちらにしても、モーツァルトの音楽は、ご当地の事情のために書かれた、「ローカル」な音楽と言えます。
ご当地の方々に対し、モーツァルトはその天才的なアイデアをもとに、当時の音楽語法を駆使し、言ってみれば、一般ピープルにも分かる話し方で、しかし、今まで聴いたことがない、意表をついて驚かせるために趣向を凝らして、交響曲を作って行ったのです。
が、残念な事に、聴く人々にとって理解がついていかず、サービスのしすぎで逆に疎まれてしまい、モーツァルトもモーツァルトでますます意固地になって奇抜な?アイデアを次々に盛り込み、悪循環を続けていったようです。

そして、そのまま失意のうちに亡くなってしまいました。

どの曲が、どちらにあてはまるのか、その地の事情はどうだったのか。
ローカルな事情を踏まえながら、モーツァルトを再考してみませんか。



posted by nai at 21:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名演あれこれ

2007年12月06日

レナード・バーンスタイン「オムニバス〜音楽のよろこび」

クラシック音楽の歴史に残る名曲・名演奏の中から、今回取り上げる1曲は…


オムニバス〜音楽のよろこび


画像クリックでDVD情報が見られます。


レナード・バーンスタインの名前を知らない人は、まずいないでしょう。
知らない、という人も、ミュージカル『ウエスト・サイド物語』の作曲者といえば、親しみが湧くでしょうか。

作曲家であり名指揮者、ピアニストでもあり、そして熱心な教育者。
「皇帝」カラヤンと同時代を生き、比較される「スーパースター」バーンスタインは、本人は作曲家として歴史に名を残したいと終始願っており、そのためのまとまった時間が欲しいと思っていたにも関わらず、ほとばしるエネルギーと人好きのため、指揮を始め多様な仕事を請けて悔いる、という人生を歩み続けた人でした。

音楽そのもの、音楽のすべてを愛した人だったと言えるでしょう。

そんなバーンスタインが、シナリオからレクチャーまですべてをこなしたテレビ番組が、「オムニバス〜音楽のよろこび」です。足掛け5年に渡り、全7回が記録されています。

1. ベートーヴェンの「第5交響曲」
2. ジャズの世界
3. 指揮法
4. アメリカのミュージカル
5. 現代音楽入門
6. ヨハン・セバスチャン・バッハの音楽
7. 何がオペラを大きくしているか?

どの回をみても、いかに分かりやすく、音楽の素晴らしさを聴衆に伝えようか、という熱意に満ちていて、ハートが伝わってきます。

例えば「第5交響曲」の回では、スタジオの床に大きな五線譜を描き、その上にそれぞれの楽器をもった楽団員を配置し、彼らを順番に退出させながら、ベートーベンがどのように推敲を重ね、結論に至ったかを分かりやすく解説してみせています。

「オペラ」の回では、オペラ『ボエーム』第3幕を、まず音楽なしの台詞だけでやってみせ、次に音楽つきで再現することで、オペラの何たるかを実感させてくれています。

オーケストラの指揮の最中に、思わず飛び上がったまま舞台から転げ落ちるような、熱いハートの人、バーンスタインその人を、DVDで見ることができます。
クラシック音楽の素晴らしさをハートで感じたい方は、是非この「名作」をご覧下さい。



posted by nai at 23:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名演あれこれ

カラヤン:ショスタコーヴィチ交響曲第10番

クラシック音楽の歴史に残る名曲・名演奏の中から、今回取り上げる1曲は…

ショスタコーヴィチの数ある交響曲のうち、カラヤンが演奏したのは、交響曲第10番だけです。何故でしょう。
ショスタコーヴィチの作品には、どうしても政治的な色が見えてしまいます。音楽の背後にあるニュアンスが、カラヤンの美学に合わなかったのかも知れません。

ショスタコーヴィチの交響曲第10番は、ちょっとしたエピソードを持っています。
カラヤンがベルリンフィルを引き連れてモスクワ音楽院大ホールに乗り込んで演奏した時のことです。
客席で聴いていたショスタコーヴィチ本人が、演奏後感激のあまりステージに上る、という「ハプニング」が起こりました。
演奏を聴いてみると、カラヤンにとって交響曲第10番は、音響的に、演奏のし甲斐がある一曲だったのではないかと思います。


いつものカラヤンとベルリンフィルの演奏からは容易に想像できないほどに鮮烈でスピード感とキレ のある演奏が聴かれ、
ここでは持ち前のレガートを駆使したリッチでエレガントな表現に代わって、整然としたアンサンブルの中にも戦慄的な緊張感の漂う表現が貫かれていて、
その激烈なまでにアグレッシヴな追い込みは、聴いていて痛みと恐怖を感じるほどであり、カラヤンがこれほどまでに恐ろしい演奏をすること があるのかと、
ただただ驚くばかりでした。


< p>【 カラヤン指揮のバッハとショスタコーヴィチ,モスクワライヴより引用】


人によってはこれがカラヤンのベストと言う人もいるくらいで、演奏の水準は非常に高いです。きちんと設計され、意味づけされ、ミスもなく、名演と言っていいでしょう。
確かにカラヤンの別の一面を覗かせるような演奏だと思います。が、それと同時に、良くも悪くもカラヤンらしい、カッコいい、スタイリッシュな、流麗華美な演奏でもあります。
ベルリンフィルの高い技術力に裏打ちされ、表現からは政治色が排された機能的な演奏を聴いて、ショスタコーヴィチも胸のすく思いだったのかも知れません。
当然ロシア臭くもなく、第2楽章の「スターリンの肖像」と言われるモティーフも、あまりスターリンらしくありません。




posted by nai at 06:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名演あれこれ

2007年12月05日

チャイコフスキーを読む

音符は読めない、という方でも、「楽譜を読む」ことはできるのです。

チャイコフスキーは日本人に人気の高い作曲家の一人です。
私のお世話になったロシア人の幾人から、なぜ日本人はチャイコフスキーが好きなのか、と尋ねられたことがあります。
また、モスクワ在住中には何度もコンサートに足を運びましたが、チャイコフスキーが特段の人気を博している訳でもなさそうです。

故国ロシアよりも、日本での格付けの方が高いように思われますが、何故でしょう。
「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」に代表されるバレエ音楽のメロディーラインとフレーズの美しさ、ビアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲に代表される情緒的な曲想などが、日本人の心の琴線によく響くのでしょう。
誰だったか、チャイコフスキーの音楽を演歌になぞらえて人気の秘密を論じているのを聞いたことがあります。
チャイコフスキーと演歌では、ちょっと距離があり過ぎだよ、と思ったのですが、
・悲劇的なテーマ
・泣かせるメロディー
・メリハリの利いたオーケストレーション
あたりに共通点がありそうです。

オーケストレーションについて言えば、チャイコフスキーは交響曲をはじめ、オーケストラ全体で同じフレーズを演奏させる手法を多用しています。
いよいよクライマックス、というシーンで、この手法を使うと、なんとも扇情的な音の渦に呑み込まれる感じがします。

(例)交響曲第5番 第1楽章から
チャイコフスキー交響曲第5番第1楽章
(クリックで拡大)

2007年12月03日

チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」

音符は読めない、という方でも、「楽譜を読む」ことはできるのです。

チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」の第1楽章、展開部に入る直前の、クラリネットとファゴットの楽譜です。

tchai6.jpg

クラリネットが沈鬱とした旋律を引っ張ってきた後、突然ファゴットに旋律が引き継がれます。
そして、目を疑うような弱音記号「pppppp」が指示されています。

CDを聴く時注意して聴いてみると、大抵の演奏では、ここはファゴットでなく、バスクラリネットで演奏されているのが分かります。確かに、クラリネット同士で引き継いだ方が音色もスムースにつながり、弱音もきれいに出ます。

チャイコフスキーの他の曲には良くバスクラリネットが登場しますが、なぜここでは、敢えてファゴットを使ったのでしょうか。

第1楽章冒頭部を聴くと、この曲はファゴットの旋律で始まっています。ファゴットは曲全体を覆うテーマのシンボルになっているのが分かってきます。
提示部の最後に、「pppppp」という弱音、クラリネットからファゴットの音色に変化させることで、救いようのない情念のため息のような、この曲のイメージを定着させようという試みのような気がします。

この部分はバスクラリネットではなく、ファゴットによる暗示されたモティーフをきちんと表現するような演奏が正解ではないか、と、楽譜を読み解くことができないでしょうか。

2007年11月27日

ドヴォルザーク チェロ協奏曲 ロ短調 op.104

クラシック音楽の歴史に残る名曲・名演奏の中から、今回取り上げる1曲は…

ドヴォルザーク チェロ協奏曲 ロ短調
画像クリックでCD情報が見られます。

チェロ協奏曲 ロ短調 op.104
アントニン・ドヴォルザーク
小澤征爾指揮
ムスティスラフ・レオポリドヴィチ・ロストロポーヴィチ(Vc.)
ボストン交響楽団
1985

Concerto in B minor for Cello and Orchestra, Op. 104
Antonín Dvořák
Seiji Ozawa
Мстислав Леопольдович Ростропович(Vc.)
Boston Symphony Orchestra
1985


古今のチェロ協奏曲の傑作として知られる、ドヴォルザークのチェロ協奏曲です。
交響曲第9番「新世界より」がアメリカで書かれたように、この曲もアメリカで作曲されました。アメリカの黒人霊歌や民俗音楽の要素が色濃く盛り込まれています。

この曲の面白いところは、完成間もなくドヴォルザークがチェコに帰った後、ボヘミアで最後の部分が大幅に書き換えられたことです。激しいテンポアップとともに、第1楽章の回想と、ボヘミアの香りのする歌曲の旋律が追加されました。聴く者にとっては、曲の大詰めでいやと言うほどの魂の叫びを浴びせかけられます。
土臭く郷愁に満ちたこの曲を聴いたブラームスは 「チェロでこのような曲が書けると知っていたならば、私が書いていたであろうに」 と感嘆したと言うエピソードは有名です。
美しいメロディーを作り出すことに大変な労苦を必要としたブラームスは、弟子ドヴォルザークが次々と美しいメロディーを生み出すので、その才能を羨望していたようです。

今回ご紹介する「名演」は、ロストロポーヴィチ自身が会心の演奏だと認め、今後この曲は一切録音しないと言った、巨匠「自薦」の演奏です。
ロストロポーヴィチは親日家で、よく日本を訪れてくれました。日本全国をめぐるキャラバンコンサートを何度も行っており、阪神・淡路大震災の後に神戸で慰安のコンサートを催し、アンコールで涙を流しながら演奏したエピソードもあります。
指揮者の小澤征爾とは非常に仲が良く、この演奏も阿吽の呼吸なのか、彼らしさが最高に引き出された、非常に伸びやかで艶っぽい演奏です。

これだけの名演が、こんな値段で買えてしまうことが、なんだか心配にすらなります。。
posted by nai at 18:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名演あれこれ

日本を代表するコロラトゥーラ

クラシック音楽の歴史に残る名曲・名演奏の中から、今回取り上げる1曲は…


愛しい友よ~イタリア・オペラ・アリア集
画像クリックでCD情報が見られます。


ドレスデン国立歌劇場が来日し、R・シュトラウスの「ばらの騎士」を公演しました。
指揮者の交代や歌手降板などのハプニング、公募で選ばれたワンちゃんが舞台に登板など、話題の多い公演でしたが、この舞台に立った唯一の日本人が、ゾフィー役の森麻季さんです。

森麻季さんは日本を代表するソプラノ歌手で、「コロラトゥーラ」という細かくて美麗な装飾を施した旋律を歌える方です。名門ドレスデンで舞台に立ち、今回の日本公演にも合流しました。

実は彼女自身が言う通り、彼女の声にはある種の限界があるとも言えます。
私は、それが彼女の個性だと感じています。


今回のゾフィーは森麻季さん。
栄えある凱旋公演でしたが、少し緊張気味?
透明感のある声なんだけど、周りの歌手たちと比べると、やはり声量不足は否めません。
ただ、この日1階で聴かれたyokochanさんは、「よくとおる声だった」と仰っていましたので、席の関係かもしれませんね。
ETUDE 2007年11月より引用】


持ち前の美声からヴィブラートを抑えたピュアな発声によって曲の美しさが浮き彫りになり、一途に歌詞に向き合った歌唱によって深く切実でスピリチュアルなメッセージを聴く者の心に直接届けます。大げさな虚飾を排した真摯さ・誠実さが最高の表現に結実する、森麻季ならではの「表現」世界が、ここに結実しました。
森麻季姫のニューアルバム - TEAROOM NODOKA楽天広場店より引用】



タグ:森麻季
posted by nai at 15:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名演あれこれ

2007年08月04日

楽譜を「読む」

音符は読めない、という方でも、「楽譜を読む」ことはできるのです。

楽譜を「読む」つまり譜読みについて、クラシック音楽に興味を持った方がその先の世界へ足を踏み入れるきっかけになるよう、このコーナーを開設しました。

第一章
http://classicjourney.seesaa.net/article/48396388.html
そもそも「譜読み」にはどういう意義があるのか。なぜ音楽の理解に「譜読み」が重要なのか。
譜読みに関心をもって頂くための導入部。

第二章
http://classicjourney.seesaa.net/article/48588376.html
オーケストラ・スコアの紹介。実際に「譜読み」をしてみます。譜読みの楽しさを実感して頂きます。

第三章
http://classicjourney.seesaa.net/article/48399440.html
譜読みをする上で役に立つ、ガイドブックを紹介します。

2007年07月29日

楽譜を「読む」− 第三楽章

音符は読めない、という方でも、「楽譜を読む」ことはできるのです。

スコアを始めて手にする人には、ガイドがあるとよいでしょう。
私が読んだガイドブックの中から、お勧めの3冊を紹介します。

まずは、スコアを出版している大手の全音からの一冊。題名はそのものずばりの「スコアリーディング」です。
オーケストラを構成する楽器たちと、それらがスコアの中でどのように「つながって」いくのかが分かりやすく解説されています。値段もとってもお手頃です。
オーケストラがどういう楽器で構成されているのか、大体はご存知かも知れませんが、では、作曲家が交響曲などを書くとき、それぞれの楽器にどういう役割を与えることが多いのか、どういうつながりをもって音楽が進行していくのか。ここに書かれていることは、音楽を本格的に理解する上で必要な要素です。

スコアリーディング (スコアを読む手引き)

スコアリーディング (スコアを読む手引き)


続いての一冊も、オーケストラすなわち交響楽団の構成について、よりヴィジュアルに解説されているガイドブックです。楽譜というよりは、演奏についての理解を深める上で役に立ちます。一気に読んでしまえる、楽しめる一冊です。

はじめてのオーケストラ・スコア―スコアの読み方ハンドブック

はじめてのオーケストラ・スコア―スコアの読み方ハンドブック


続いては、『N響アワー』でおなじみの池辺晋一郎による入門書。作曲家みずからが書いた本なので、なるほど楽器をどう「鳴らす」か、メロディーはどこに現れるのか、など、作曲者の意図を読む方法がふんだんに紹介されています。
それと合わせて、コラムがとても面白い。入門書ですが、オーケストラや音楽にある程度の関わりをもっている人にも初めて聞くエピソードが目白押しです。

オーケストラの読みかた―スコア・リーディング入門
オーケストラの読みかた―スコア・リーディング入門



どれも「入門」と書かれていますが、いつまでも繰り返し読み返すガイドとして長く使えますし、すでにクラシック音楽と長く付き合っている人にも、それゆえの新しい発見や楽しみ、知識の整理に役にたつはずです。
スポーツでも釣りでも、始めるときにはガイドが必要ですよね。クラシック音楽もそうですよ。



2007年07月26日

ベートーベン 交響曲第九番 第一楽章 冒頭

音符は読めない、という方でも、「楽譜を読む」ことはできるのです。

手始めに、「第九」第一楽章の冒頭部分について、楽譜を読んでみましょう。

b0901-1.png






冒頭部分の弦の楽譜です。

楽譜の下半分では、EとAの音だけがppで鳴っています。間に挟まるべき音が欠けていて、長調なのか短調なのか定まらないため聴く耳にとても不安を与えます。
そして、楽譜の上半分では、上から下へと急激に落ちてくる音があります。「チラッ」「チラッ」遠い雷雲の中の稲妻のような鋭さです。
まるで天地創造から間もない原始地球の、大いなる混沌を目の当たりにするよう。

この音型は空白五度と呼ばれ、ベートーベンの時代でも「禁じ手」とされていた音型です。この音を敢えて用いて不安定感を表現してみせたところに、ベートーベンの天才を見ることができますし、古典時代からロマン派へと音楽が移り変わったことを見て取ることもできます。これだけでも聴く者をうならせるパワーがあるのですが、この先すぐに、聴衆の予想を裏切る次の一手が用意されているのです。

ずーっと続いている不安な和音、一体どちらに解決するつもりだろう、イ短調か?イ長調か?と思っているところに、14小節目に突然主音Dが現れ、みるみる間にDが主役となり、ニ短調の主題がffのユニゾンで叩きつけられるのです。

ここまでたったの17小節です。譜読みする楽しみは尽きません。

2007年07月23日

組曲「展覧会の絵」原典版

クラシック音楽の歴史に残る名曲・名演奏の中から、今回取り上げる1曲は…

組曲『展覧会の絵』ソフィア・リサイタル

画像クリックでCD情報が見られます。


組曲「展覧会の絵」
モデスト・ムソルグスキー
スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ)
1958/02/25

Pictures at an exhibition
Modest Petrovich Mussorgsky
Sviatoslav Teofilovich Richter(Piano)
1958/02/25



ラヴェルによって西欧に受け入れられ、一躍人気を博するようになったため、ピアノ編の方も日の目を見るようになりました。が、先述のように荒削りであったのと同時に、演奏が難しい「難曲」であったため、なかなか弾ける人がいません。

そうした中、以前紹介したこともあるロシアのピアニスト、リヒテルのレコードが大きな役割を果たします。

今でこそ、リヒテルといえば伝説のロシア三大ピアニストとして不朽の名声を刻んでいますが、このレコードが録音された当時、「東側」ソ連のピアニストであったリヒテルの演奏は、「西側」に属する欧米、日本では滅多に聴く事ができませんでした。
1958年ブルガリアで演奏された『展覧会の絵』がレコードとして西側でも入手できるようになりました。
リヒテルという巨匠の演奏に高い評価が集まりましたが、その時に彼が演奏したのが、先述のリムスキー=コルサコフ版ではなく、ムソルグスキーによる原典版だったので、これによってピアノ版=原典版という認識が広がっていきました。
それまでは難点、欠点でもあったロシア風の泥臭さ、荒削りな点が、それからはロシアのエキゾチズムという魅力として受け入れられるようになったのです。

この演奏、「ソフィア・リサイタル」と呼ばれ、伝説にもなっているくらい重要な演奏なのですが残念ながら廃盤が続いています。
この2007年9月末に、HMVから発売されますので、気になる方は今から予約しておいてみては。¥1,200のようです。
posted by nai at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(2) | 名演あれこれ

2007年07月21日

楽譜を「読む」− 第二楽章

音符は読めない、という方でも、「楽譜を読む」ことはできるのです。

引き続き、楽譜を「読む」ということについて。

何を読むかというと、指揮者の使う「オーケストラ・スコア」を読みます。
「オーケストラ・スコア」というのは、オーケストラの全楽器の奏でる音がすべて記された楽譜です。ピアノ譜であれば、せいぜい「右手」「左手」の2段の五線譜で済みますが、オーケストラともなると五線譜が縦に十数段ずらっと並びます。
大抵、1ページまるまる使用するので、曲の進行に合わせて視点は左ページから右ページへと折り返すことなく流れていくことになります!

指揮者でもなければ、スコアなんて読んでも、???ですよね。

スコアにも読み方があります。音符は読めない、という方でも、スコアを「読む」ことはできます。
高い音と低い音、強い音と弱い音。その程度が理解できれば大丈夫。自分の好きな曲のスコアを用意して、何度でもCDを聴きながら目で追ってみる。ここがカッコいいところ、と思うところに印をつけたり、メモを書き入れてみる。何度か繰り返していると、自分が書き込んだメモと再び出会って、新しい感動や発見が生まれる。

それだけでなく、その曲についての詳しい知識も得られます。
全音楽譜出版社や音楽之友社から出版されているスコアには、楽譜だけでなく、その曲の解説がかなり詳しく書かれています(当然、日本語で)。

例えば、音楽之友社のベートーベン交響曲第九番のスコアであれば、
・巻頭から3ページは曲の成立、初演までの経緯、曲の特徴
・続く12ページは、各楽章の説明
といった具合です。そしてこの各楽章の説明には、曲の進行に伴って何が起こっているのかを、小節の番号付きで書いてあります。

第一楽章の説明からほんの一部を抜粋してみると、
〜第9の最も基本的な素材はニ調の属音と主音の5度d-aである。〜曲尾にいたるまで偏在している〜壮大な構えの第1主題(17-35)〜繰り返されようとするが、今度はd-a上から49でいきなり変ロ長調にずれる〜変ロ長調のままで第2主題部(80)となる〜緊張感が増してコデッタの素材(o)に戻るが、コデッタの確信にt概してこちらは減七の脅威である。〜きしむような響き(217第1拍)にも注目。〜再現部の開始部分はこの楽章で最も激烈な音楽で、〜312の最後から主題そのものの再現にいたる箇所の強引ともいえる和音変化は〜なお、523のホルンの32分音符は16分音符が正しい。

といった具合です。

そして、全体が見渡せるように図解までされています。
(クリックで拡大)
b09.jpg


この解説を、取りあえず受け入れてみて、実際の楽譜の中に書き写してみます。そして、曲を聴きながらスコアを読み飛ばして行くと、
耳に入ってくるこの音はこういう寓意がこめられている、というふうに「出会う」ことができるのです!

スコアを読む楽しみは、まずここから始まるのです。

2007年07月19日

楽譜を「読む」− 第一楽章

音符は読めない、という方でも、「楽譜を読む」ことはできるのです。

「のだめ」ブームもあって、クラシック音楽を深く知りたい、と思ってここを訪れてくださった方、ありがとうございます。
クラシック音楽、特にシンフォニー(交響曲)を深く楽しむ=理解するために、楽譜を「読む」ことを一度は試してみませんか?

音楽を理解する、とはどういうことなのか、私の思いつきですが、以下のようなパターンがあるように思います。

@演奏者への共感⇒曲への理解
その演奏を聴くことで、演奏者の心と結ばれる、というパターンです。ライブを聴いて味わえる喜びです。

「のだめ」ファンなら、ベートーベンの交響曲第七番を聴くとワクワクしますよね?
それは、この曲=千秋の情熱、Sオケの熱演というイメージが心の中にあるからではないでしょうか。

A作曲家への共感⇒曲への理解
作曲した時、作曲家がどういう境遇にいたのか、というエピソードを知ることで、曲そのものからメッセージを聴き出す、というパターンです。伝記を読んだり、音楽史を学ぶことで造詣が深まります。

B曲そのものへの理解
作曲家がその曲に何を託したのか、曲そのものを読み解いていくパターンです。
作曲家との対話をしながら何かを発見し、その度にその曲が自分のものになっていくのを感じることができます。

「のだめカンタービレ」で千秋真一が一心不乱に「譜読み」する姿を見て、「カッコいい」と思ったところから入って下さっても結構です。千秋が傾けた情熱の後追いをするつもりで、楽譜を読む、ということをご一緒に試してみましょう。

2007年04月01日

展覧会の絵(ラヴェル版)

クラシック音楽の歴史に残る名曲・名演奏の中から、今回取り上げる1曲は…

展覧会の絵(ピアノ&オーケストラ版)
画像クリックでCD情報が見られます。

組曲「展覧会の絵」
モデスト・ムソルグスキー
ヘルベルト・フォン・カラヤン
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ラザール・ベルマン

Pictures at an exhibition
Modest Petrovich Mussorgsky
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker
Lazaŕ Naumovič Berman(Piano)


ムソルグスキーは、いわゆる『ロシア五人組』という呼ばれ方をしていますが、西欧の模倣ではなく民族的な性格をもった国民音楽を作ろうとしていたムソルグスキーの作品は、西欧の感性では受け入れ難いものでした。また、そもそも未完成のものが多かったので、彼の作品が世界に知れ渡ることが稀でした。

1922年にフランスのモーリス・ラヴェルがをオーケストラ用の編曲をしたことで、『展覧会の絵』を我々は知るようになったと言っても過言ではないかも知れません。

ラヴェルは「オーケストラの魔術師」といわれ、オーケストラから多彩な音色を引き出す才能に恵まれていました。指揮者クーセヴィツキーの依頼を受けたラヴェルは、この曲の持つ多彩な和音の可能性に触発され、二つ返事で答えています。
泥臭い原作とは打って変わった、ラヴェルらしい華やかで洗練された音楽に変容を遂げたので、全く新しい作品に生まれ変わったようなものです。
だれが聴いても、ラベル編曲の「展覧会の絵」はムソルグスキー作曲じゃない。たとえていうなら、ピカピカの超合金のロボット人形、砂糖菓子で飾られた複雑な模様のデコレーションケーキ、プラモデル。
展覧会の絵:解説(1)より引用】

今回は、このラヴェル版とピアノ版を、廉価で聴き比べられる、カラヤン&ベルリン・フィルの演奏をご紹介します。

posted by nai at 17:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名演あれこれ

2007年03月24日

組曲「展覧会の絵」リムスキー=コルサコフ版

クラシック音楽の歴史に残る名曲・名演奏の中から、今回取り上げる1曲は…

組曲『展覧会の絵』ポゴレリチ
画像クリックでCD情報が見られます。

組曲「展覧会の絵」
モデスト・ムソルグスキー
イーヴォ・ポゴレリチ
1997/02

Pictures at an exhibition
Modest Petrovich Mussorgsky
Ivo Pogorelić(Piano)
1997/02


誰もが耳にしたことのある「展覧会の絵」ですが、この組曲には多少のエピソードがあります。

展覧会の「絵」ですが、この「絵」は、ムソルグスキーの友人であるヴィクトル・ハルトマン(ロシア読みだとガルトマン)という建築家・画家の「絵」です。
ガルトマンは病気で急死してしまったのですが、ムソルグスキーは彼の体の異常に気づきながら軽視した事を後悔する手紙を残しています。
ガルトマンの遺作展が1874年2月に開かれ、400点の遺作が展示されました。ムソルグスキーも訪れ、そこで友人の記憶にインスパイアされ、2-3週間足らずで一挙に作曲したのがこの組曲です。
その中の10点を取り上げています。

―原典版―
「展覧会の絵」はムソルグスキーの生前は一度も演奏されず、出版もされませんでした。
ムソルグスキーはアルコール中毒と生活苦により衰弱してこの世を去りました。

―リムスキー=コルサコフ版―
最初にこの組曲が日の目を見たのは、同じロシアの作曲家リムスキー=コルサコフが遺稿の中から発掘したおかげです。
リムスキー=コルサコフの改訂がかなり加わった『展覧会の絵』のピアノ譜が1886年に出版されました。
このピアノ版は「リムスキー=コルサコフ版」として、原典版とは区別されています。

ムソルグスキーの原典版があまりに荒削りであり、また当時の感覚では非常識な部分があったため手を加えたようですが、
リムスキー=コルサコフがこの曲の価値を認識していたからこそ出版した訳で、彼の功績は大きいと言えます。

リムスキー=コルサコフは1886年、やはりスタソフの助力を得て「展覧会の絵」の出版にこぎ着けるが、この出版譜にはリムスキー=コルサコフの手によって大幅な改変が加えられていた。ムソルグスキーの書法が当時としてはあまりにも大胆で、一般には受け入れがたいと判断したためだとされている
展覧会の絵・プログラムより引用】

異端児の香りのするこの曲、今となってはすっかり市民権を得てしまい、ピアノ版もたくさんのCDが出ています。折角なので、「天才にして異端児」ピアニスト、イーヴォ・ポゴレリチの名演で楽しんでみませんか?原曲の泥臭さとはまた違った、別の意味での異様さを醸し出しています。テンポを大胆に落とし、40分もかけて、この曲に対する新たな問いを切々と語りかけてくるかのよう。これだけ大胆な解釈を前面に打ち出しておいて、感銘を与えられる出来に仕上げられる器量は半端ではありません。

ポゴレリチ氏といえばどうしても思い出してしまうのが、第10回ショパンコンクールに関するあの事件。第3次予選で落ちてしまったポゴレリチ氏の評価に不服とし、あのマルタ・アルゲリッチさんが「彼は天才よ」と怒って審査員を降りてしまったという話はあまりに有名なはず。確かにポゴレリチ氏、演奏中にガムはかむわ、独特の衣装だったりと異端児ぶりを思いっきり発揮していたようであるが、あれからすっかり話題の人となってしまった。
NHK「芸術劇場」ポゴレリチ氏インタビューより引用】
posted by nai at 17:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名演あれこれ
読んで下さってありがとうございました。
ブログランキングへの投票をお願いします。
(ここをクリック)