
ブルックナー:交響曲第7番
マタチッチ(ロヴロ・フォン)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
作曲: ブルックナー
ブルックナーの第7番と言えばマタチッチ。
マタチッチは何度も来日しN響を振り、「N響 伝説のライヴ マタチッチの芸術」なるシリーズのCDがあります。
豪快でエモーショナルな演奏が、当時の音楽界に旋風を巻き起こしました。音楽評論家宇野功芳氏の歴史的な証言があります。
「1965年秋、スラヴ・オペラの指揮者として初来日したときのマタチッチの≪ボリス・ゴドゥノフ≫は、日本のクラシック音楽界を震撼させた。誰よりもおどろいたのは指揮されたN響であった。全楽員が心酔、翌年からの度重なる来日公演が始まったのである。当時マタチッチは60代の半ば、脂の乗り切った全盛期にあり、巨体からくり出される音楽の巨大さ、その凄まじい熱気は比較するものとてなかった。とくにワーグナー、ブルックナー、チャイコフスキー、そしてベートーヴェンの迫力は東京文化会館や東京厚生年金会館が吹っとぶのではないかと思われた。そのN響とのライヴ録音が初CD化される。まさにレコード界の一大快挙である。わけてもベートーヴェンの1番、7番、ワーグナー・アーベント、チャイコフスキーの≪悲愴≫などのものすごさは文章にするのもおろか、実際に自分の耳で確かめていただくしか方法がない。」(宇野功芳)
このブルックナーはマタチッチらしく豪快で、逞しく、気持ちよく盛り上がります。
それと共に、実に深い呼吸で演奏されていて、特に前半の2つの楽章は他の演奏に比べて桁外れにスケールが大きい。これを聴かずして第7番は語ることができません。
どこにも緩みがないのはもちろん、音楽の持つ巨大なエネルギーの放射がすばらしい。
レーヴェ&シャルクの改訂版を使っていて、至る所でオーケストレーションが変更されています。
すぐ聴き分けられるのはティンパニーで、ティンパニーの「どかどかどろろぉぉぉぉん」という響きが笑えてしまうほど沢山出てきます。
おそらく実演でこれを聴けば、その効果は言語を絶したに違いないでしょう。
やっちゃばの士と申します。
栞へのコメントありがとうございました。
マタチッチのブルックナーは、ブルックナーの交響曲の特徴である「巨大なエネルギー」を最もよく表現していると思います。
7番もいいですが、僕は同じスプラフォンシリーズの5番がとても気に入ってます。