2007年07月21日

楽譜を「読む」− 第二楽章

音符は読めない、という方でも、「楽譜を読む」ことはできるのです。

引き続き、楽譜を「読む」ということについて。

何を読むかというと、指揮者の使う「オーケストラ・スコア」を読みます。
「オーケストラ・スコア」というのは、オーケストラの全楽器の奏でる音がすべて記された楽譜です。ピアノ譜であれば、せいぜい「右手」「左手」の2段の五線譜で済みますが、オーケストラともなると五線譜が縦に十数段ずらっと並びます。
大抵、1ページまるまる使用するので、曲の進行に合わせて視点は左ページから右ページへと折り返すことなく流れていくことになります!

指揮者でもなければ、スコアなんて読んでも、???ですよね。

スコアにも読み方があります。音符は読めない、という方でも、スコアを「読む」ことはできます。
高い音と低い音、強い音と弱い音。その程度が理解できれば大丈夫。自分の好きな曲のスコアを用意して、何度でもCDを聴きながら目で追ってみる。ここがカッコいいところ、と思うところに印をつけたり、メモを書き入れてみる。何度か繰り返していると、自分が書き込んだメモと再び出会って、新しい感動や発見が生まれる。

それだけでなく、その曲についての詳しい知識も得られます。
全音楽譜出版社や音楽之友社から出版されているスコアには、楽譜だけでなく、その曲の解説がかなり詳しく書かれています(当然、日本語で)。

例えば、音楽之友社のベートーベン交響曲第九番のスコアであれば、
・巻頭から3ページは曲の成立、初演までの経緯、曲の特徴
・続く12ページは、各楽章の説明
といった具合です。そしてこの各楽章の説明には、曲の進行に伴って何が起こっているのかを、小節の番号付きで書いてあります。

第一楽章の説明からほんの一部を抜粋してみると、
〜第9の最も基本的な素材はニ調の属音と主音の5度d-aである。〜曲尾にいたるまで偏在している〜壮大な構えの第1主題(17-35)〜繰り返されようとするが、今度はd-a上から49でいきなり変ロ長調にずれる〜変ロ長調のままで第2主題部(80)となる〜緊張感が増してコデッタの素材(o)に戻るが、コデッタの確信にt概してこちらは減七の脅威である。〜きしむような響き(217第1拍)にも注目。〜再現部の開始部分はこの楽章で最も激烈な音楽で、〜312の最後から主題そのものの再現にいたる箇所の強引ともいえる和音変化は〜なお、523のホルンの32分音符は16分音符が正しい。

といった具合です。

そして、全体が見渡せるように図解までされています。
(クリックで拡大)
b09.jpg


この解説を、取りあえず受け入れてみて、実際の楽譜の中に書き写してみます。そして、曲を聴きながらスコアを読み飛ばして行くと、
耳に入ってくるこの音はこういう寓意がこめられている、というふうに「出会う」ことができるのです!

スコアを読む楽しみは、まずここから始まるのです。



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